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Kenkun Shrine

宮司講話集

「信長公像の変遷」 
 平成3年11月10日 大和祭にて


 本日は皆様大変お忙しいところ、又、大変ご遠方のところ、大平和敬神の21年目の記念祭にご参列賜りまことに有難うございました。お蔭をもちまして今年の大和祭も滞りなく執り収める事が出来、心より厚く御礼申し上げます。

 さて皆様、既にご存知の方も多いと存じますが、来年のNHKの大河ドラマは“信長”と決定され、緒形直人主演で毎日曜1年間放映されることとなりました。しかも、この大河ドラマは当時のキリシタン宣教師ルイス・フロイスの目を通して国際的視野にたった織田信長を描くとの事でございます。
 建勲神社の御祭神織田信長公は江戸時代におきましては、お芝居や絵草子等で東照大権現家康公を崇める反動で「短気であった」とか「残虐であった」とか、全くの作り話によってゆがめられていた面がございました。
 又、明治時代には尊皇の英雄として尊ばれ、天皇を中心として政治的に国内統一を果たされたという面のみが強調されたきらいがございました。又、軍国主義の時代に入りますと、桶狭間の合戦、長篠の合戦や鉄甲船の建造等、武略の英雄としての一面が注目され、さらに戦後の経済第一の時代にあっては、信長公による関所の廃止、楽市楽座等、自由経済の推進者、経済的国内統一者としての一面が取り上げられました。又、最近ではヨーロッパ文明の導入と、日本の伝統文化の保護といった信長公の文化政策がよく論じられておりますが、信長公が日本の歴史の中で、世界史に通じる大英雄であるゆえんは、社会の仕組み、人々の根本的考え方をも変革し、中世社会から日本をいち早く近代社会へと導かれたことであります。
 ヨーロッパで宗教改革がなされたのとほぼ同じ時期、信長公は政治的権力をふるう仏教への大弾圧と、本来の宗教機能を推進するものへの積極的保護により、宗教改革がなされ、宗教の違いによって人々が対立抗争する図式が払拭された事が注目されております。
 秀吉公は関白職におつきになって大層喜ばれ、又家康公も征夷大将軍職につくべく大変骨を折られた訳でありますが、信長公は朝廷より逆に関白職でも太政大臣職でも征夷大将軍職でもいずれでも就任してほしいと懇請されましたが、お断りになりました。この史実は信長公が当時いかにずばぬけた力をお持ちであったかを如実に示すものであります。信長公は若い頃から、大変尊皇の志の強い方でありましたが、使節団を遠くローマ法皇の下に派遣される等、当時信長公の目は広く海外に向けられており、関白とか将軍とかにとどまるおつもりがなかったのではないかと思われます。この度のNHKのドラマが国際的観点から新しい信長像を追求するとの事であり、御祭神の真の姿に迫るものとなりますことを、大いに期待する次第であります。

 本日は皆様、大平和敬神記念祭にご参列賜り、本当に有難うございました。又、日頃、毎月毎月、大勢で清掃奉仕を頂き、ここで心より御礼申し上げます。どうぞ今後とも修養団捧誠会が、各地の神石和石を中心として益々発展され、皆様が、御教えを体現していかれ、益々ご健康にお幸せにお過ごしになられます事をお祈り申し上げ、私の本日のお礼のご挨拶とさせて頂きます。

(以上)

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◎建勲神社 Kenkun Jinja

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