大和祭 宮司あいさつ
「イネのDNA分析と歴史の見直し」

本日は神石大平和敬神49年目の大和祭に当り、皆様ご多用の中、本当によくご参列賜りました。又、日頃は神石の清掃奉仕を頂き厚く御礼申し上げます。来年は愈々大平和敬神50周年を迎える訳ですが、当然我々も50歳年をとり、20歳だった人は70歳に、30歳だった人は80歳になりました。しかし、50年前の70歳・80歳の人と、今の70歳・80歳の人とは全く異なり、今の大抵の高齢者は心身ともに若い人とあまり変わりありません。豊かで清潔で平和な今の日本で年を重ねていく事は、本当に幸せな事であります。是非、出居教祖様の“みおしえ”に従い、これからもこの様な神石の会で益々交流を深めていかれる事は大変意義のある事であります。その際、昔話や健康談議にとどまらず、色々と新しい知識を語り合われると一層交流が意義深いものとなります。

幸いここ20年程で学術や科学の分野が長足の進歩をとげており、ご自分の興味のある分野についてテレビの科学番組や文庫本をご覧になると、驚く事ばかりであります。宇宙に興味のある人にとっては、学校で我々が学んだ事と、今の宇宙の成り立ちに関する知識とでは雲泥の差があります。また、生物学に興味のある人にとっては、昨今のDNAの分析は長足の進歩をとげていて、例えばイネのDNAの分析で色々な事がわかるようであります。
従来イネは中国の江南地方から朝鮮半島を通って日本列島に伝わったとされ、だれもそれに疑いを持たなかった訳ですが、イネのDNAを調べると中国の江南地方から直接日本に伝わり、日本から朝鮮半島に伝えられたことが明確に実証されるとの事であります。これは稲作文明という根本的な文明の伝わり方の逆転でありまして、歴史の根本的見直しが必要となります。
DNAは動物や人間の過去も明確に説明することができ、今では骨一本発掘されればDNA遺伝子が容易に抽出されるようであります。日本人の起源については、従来北方のアイヌ系や南方のクマソ系等の縄文人と朝鮮半島からやってきた弥生人が混血して今の日本人になったとされてきて、誰もそれを疑わなかったのですが、現在、中国大陸や朝鮮半島に住んでいる人間のDNAと日本人のDNAは全く異なり、日本人のルーツは中国大陸や朝鮮半島ではなく、シベリヤ中部の方のようであるとされています。
又、歴史に興味のある人にとって、ここ20年程の歴史学の進歩は大変なもので、従来は古い事でどうせわからないからという事で「何々であろう」とか「何々といわれている」とか「何々教授も何々博士もそう言っている」といった記述が多かったのですが、最近の歴史学では、かなり実証的に論じられるようになっています。また、唯物史観が絶対的に正しいという前提で、奈良の大仏やエジプトのピラミッドは過酷な強制労働の産物だと主張したり、江戸時代の百姓一揆を針小棒大に誇張したり、逆に自己の歴史観にとって都合の悪い史実は無視するといった学問は大分少なくなってきました。
蒙古の来襲の際、神風・台風が吹いた為、撃退する事ができたといわれていましたが、最近の研究で、台風の影響はあまりなくて鎌倉武士の奮戦によって、蒙古を撃退したという事が明らかになってきています。これから毎年のように歴史の新しい事実が明らかになっていくであろう事は、本当に長生きする楽しみのひとつであります。

本日は皆様、ご多用の中大平和敬神大和祭に本当によくご参列頂きました。皆様のご健勝と修養団捧誠会が出居徳久総裁の下、ますます発展していかれますようお祈り申し上げ、ご挨拶とさせて頂きます。

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