大和祭 宮司あいさつ
「ダイオキシン、環境ホルモン、酸性雨」

本日は皆様大平和敬神33年目の記念祭によくご参列賜りました。又、日頃は毎月毎月清掃奉仕を頂き厚く御礼申し上げます。
ここ数年、清掃奉仕をなされる皆様からよく「バケツと雑巾を貸してほしい」「神石を磨きたい」といったお話がございますが、33年経ちますと神石も大分汚れて参りまして、世話人代表の野崎さんがこの9月初め、専門の職人を連れてこられ、大変暑い日が続きましたが、足場を組んだ上、3日間かけてみがき作業をなさいました。お蔭で見違えるようにきれいに神石が甦り、洵に喜ばしい事でございます。

さて皆様、ダイオキシンとか、環境ホルモンとか、CO2削減とか、酸性雨とか、よく耳にされる事と存じます。神社の方もダイオキシン問題の影響で市街地にある神社は枯葉焚きはいけないとか、又、古いお札やお守りさんを皆さんにお集まりいただいて焚き上げる神事はダイオキシンが出るから絶対ダメだとか言われて参りました。ところが最近の研究によるとサリンの2倍の毒性があるとされたダイオキシンは実はほとんど害がない事がはっきりしたそうであります。そして焼却炉で塩ビを燃やした時にできるものより、50年前から使われている水田除草剤に含まれているダイオキシンの方がずっと大量であるそうであります。この研究が一昨年発表され以来、ダイオキシン論議はがらっと変わってしまいました。
環境ホルモンも、ひところ給食容器からしみ出てきて、長期的に大変有害であるといわれましたが、その後の研究で、大昔から健康に良いとされている大豆に実は環境ホルモンと同じ物質が大量に含まれているのが判明したそうであります。
神社やお寺の屋根は昔から銅板葺が多く、半永久的とされていましたが、最近は酸性雨の影響で銅板はすぐ穴があいてしまいます。酸性雨の原因は当初、黄硫酸化物の影響とされ火力発電所や各地の工場に脱硫装置をつけるべきだとされてきましたが、日本中の工場や発電所から出る黄硫酸化物の10倍位が三宅島火山から出るそうで、火山は大昔からある訳で、どうやら酸性雨の原因は車の排ガスの窒素酸化物が原因であると最近ではなっているようであります。
今月は選挙の月ということですが、政治の話では、どんな方が自信をもってある政策を主張しても、全員が100%そうだとは思いません。経済の話でも、文化的な事でも同じであります。しかし、科学的データを示されると我々は100%そうだと信じ、地球を救う為にと善意で一つの方向に走ってしまいますが、科学的な主張も真実の一面だけを取り上げているのだとつくづく思われる次第であります。

本日はご多用の中、よくご参列頂きました。皆様のご健康と捧誠会の弥栄をお祈り申し上げ、本日のご挨拶とさせて頂きます。有難うございました。

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