船岡大祭 宮司あいさつ
「『信長公記』の保存修理」

本日は皆様船岡大祭にご参列賜りまことに有難うございます。船岡祭は織田信長公が天下統一の為始めて上洛された永禄11年10月19日にちなむお祭で、毎年この日に西陣各学区の皆様により執り行われて参りました。本日はご祭神の直系に当られます織田信孝氏を始め各地からもゆかりの方々のご参列を得て執り行う事が出来、まことに有難うございます。

さて建勲神社では信長公の一代のご事跡を記した「信長公記」全十五巻を所蔵しており、昨年全巻の保存修理事業が文部省により行われました。普段は京都国立博物館に寄託しておりますが、本日はそちらの展示ケースに展示いたしております。又、今年角川書店により信長公記が翻刻出版されることとなり、本日ご参列の岡田正人先生が原文の読み下しに当られる事となりました。

信長公記の著者太田牛一は弓が得意で、足軽からずっと信長公に仕えた人でありますが、毎日毎日克明に日記をつけるのが趣味でありまして、晩年その膨大な日記をまとめて「信長公記」十五巻を書き上げました。それだけに内容が極めて真実味があり読んでいると信長公の時代の人々が生き生きと浮かび上がってまいります。「信長公記」が信長公の時代を研究する上で第一級の資料とされ、国の重要文化財に指定された由縁であり、今回の出版が待たれる次第であります。

さて建勲神社の大鳥居前に末社義照稲荷社がございますが、伏見稲荷の元宮といわれる由緒あるお稲荷さんであります。この程、本殿拝殿以下、お屋根の葺き替えが完成し、おかげさまで稲荷境内が一層すがすがしくなってまいりました

本日はご多忙の中ご参拝賜りまことに有難うございました。どうか皆様には建勲神社の大神様のあらたかなご加護の下、益々お健やかにお過ごしの程お祈り申し上げます。それでは引き続き、羽田学芸員さんよりご説明申し上げます。(続いて「信長公記」についての説明あり)

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